専門分野の翻訳の難しい点

執筆:
momhana

更新に時間が空きました。

 

私が滞在している国は、2月が学期の中休みで旅行に出かけました。そのまま年度末の繁忙期に突入して、3月~4月は私的なイベントも多く、5月の半ばになった今、ようやくブログを書く時間が取れました。とはいえ、昨夜から娘が体調不良を訴えているので、今日も病院に行かなければならなそうです。

 

フリーランスという身分は、こういう緊急事態にも柔軟に対応できるところがメリットのひとつです。ただし、納期が迫っている場合は、個人的な用事は後回しになります。こちらは、家族との時間をとても大切にするお国柄なので、仕事をし過ぎると批判が強く、公私のバランスは悩みの種です。現在、家の前にオフィスを借りることでこの悩みはかなり解消しましたが、在宅で仕事をしている女性の友人と話しをしていても、家では集中できない(家のことを重視しなければというプレッシャーを感じるので)という声が多いです。日本ではどうなのでしょうか。

 

さて、前回(「翻訳依頼受注の決め手は専門性? 」)の続きで専門性について書きたいと思います。

過去、社内の会計・財務規程に関する大きなプロジェクトにレビュワーとして関与したことがあります。専門分野のレビューということで、気楽に考えていたのですが、そうは問屋が卸しませんでした。

 

苦労した点の1つが、専門用語をどの程度使うかです。たとえば、減価償却や繰延資産など、日本語訳語に迷う余地がない用語は問題がないのですが、一般的な意味でもよく使われる単語はどこまで厳密に訳すか判断に迷いました。代表的な例として「accounting procedure」があります。このプロジェクトには「会計手順」という既訳があったのですが、これが私にはしっくりきません。というのも、会計、税務の資格試験の勉強で、会計基準や税法を脳裏に染みつくほど徹底的に暗記したので、会計処理の方法といえば、自動的に「会計手続き」と思い浮かぶのです。

 

結局、専門的には「会計手続き」の方が一般的とコメントを付けて、修正したように記憶しています。ただ、その後もこのプロジェクトは継続し、既訳が訂正されることはなかったため、それがクライアント様の意向ということで、修正は止めました。

 

専門分野の翻訳の難しい点として、正確性が求められるところです。外資系で働いた経験がある方はご存知かと思いますが、実務では英語をそのままカタカナ読みにした「カタカナ英語」を使うことが多いのです。ですから、知っている用語でも日本語の訳語を案外知らなかったりします。

 

外国独自の制度にかかわる単語は日本語の定訳がないことも多々あります。そうした場合、専門知識があるのだからと、徹底的に調べまくります。かなりレアな用語であれば、説明を加え納得できる訳になるまで何度も検討します。場合によっては、専門知識の乏しいITなどの分野より、よっぽど時間がかかります。

 

救われるのは、好きな分野なので、調査や校正などの作業自体は読みこむのは楽しいことです。外国の税務申告書の翻訳など、実務のときに時間がなくてじっくり読めなかった文書を翻訳しながらじっくり読むのは楽しいです。いつの日か、税務分野の書籍を翻訳するという夢をぜひ実現させたいと思っています。

 

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執筆:
momhana

  • 翻訳者経験10年
  • TOEIC情報なし
  • 英語検定情報なし

トランスマート実績

ビジネス・金融、法律・契約書を得意分野としていますが、その他の分野についても、丁寧・的確なリサーチに基づく正確な翻訳を心がけております。マーケティング分野にも対応しています。よろしくお願いいたします。